保健相、横浜停泊クルーズ船からの帰国は今週中

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連邦政府パティ・ハイデュ保健相は現在横浜に停泊中のクルーズ船ダイヤモンド・プリンセスに隔離されているカナダ人の帰国が今週末あたりになると語った。

17日ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで開いた、BC州エイドリアン・ディクス保健相、バンクーバー市ケネディ・ストゥワート市長が同席する記者会見で、すでに新型コロナウイルスCOVID-19感染が確認されている15人を除き、チャーター機を派遣して希望者を帰国させることを明らかにした。

政府によるとクルーズ船には255人のカナダ人が乗船し、感染が確認された15人はすでに下船して日本で治療を受けている。残りのうち約150人はチャーター機での帰国を希望していると発表した。

ダイヤモンド・プリンセスは日本時間の明日19日には隔離から14日目となる。乗船者の中には隔離解除を待った方が早く通常生活に戻れる可能性があることから、チャーター機での帰国を希望しない人もいるとみられている。

ハデュ保健相は、チャーター機で帰国した場合は、カナダで14日間の隔離生活が必要と語った。

政府は正確なチャーター機派遣日程については明言しなかった。

バンクーバー空港では引き続き渡航者に注意喚起

もう一つのクルーズ船ウエステルダムから下船した80代のアメリカ人女性が陽性だったことを受け、カナダ政府はカナダ人の乗船者を探すためにクルーズ会社と協力していくと語った。

ウエステルダムは感染者がいる可能性を理由に日本をはじめアジア各国で入港を拒否され、今月13日にカンボジアが受け入れを表明した。乗客の多くはすでに下船している。

乗船していたカナダ人の中にはすでにバンクーバーに到着している人もいるという。

ハデュ保健相は空港での水際対策への強化を聞かれ、改めて「アメリカのような対策を取る予定はない。国境を完全封鎖することが感染拡大を防ぐ最善の方法とは考えていない」と入国拒否はしない考えを示した。

これまでは中国へ渡航歴のある入国者に対して風邪のような症状がある場合は、申告するよう呼びかけていたが、この日の記者会見では新型ウイルス感染者が世界中に広がっていることから「海外渡航者全員が風邪のような症状が出た場合は、自身を隔離し、速やかに担当保健機関に報告してもらいたい」と語った。

ハデュ保健相は記者会見のあとバンクーバー空港に向かった。

カナダでは現在、オンタリオ州で3人、ブリティッシュ・コロンビア州で5人の感染が確認されている。

中国湖北省武漢からチャーター機で帰国したカナダ人の中に感染者が出たという発表はされていない。