武漢からチャーター機で帰国の第1便がトレントンに到着

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中国湖北省武漢からカナダ人を乗せたチャーター機第1便が7日午前中にオンタリオ州トレントンのカナダ軍基地に到着した。

前日午後9時にブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーに寄り給油。武漢からバンクーバーまでの間に発症した患者がいた場合は、バンクーバーで降機するとされていたが対象は出なかった。

これからトレントンで14日間の隔離期間を過ごす。

武漢からカナダ人帰国第1便がバンクーバーに到着

中国湖北省武漢を現地時間2月7日午前2時ごろ飛び立ったチャーター機が6日午後9時ごろ、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー空港に到着した。カナダ人176人を乗せたチャーター機は給油を終えると一人も降機することなくオンタリオ州トレントンカナダ軍基地に飛び立った。

フランソワフィリップ・シャンパーニュ外務相は6日の会見で211人が搭乗するはずだったと語り、何らかの理由で空港に現れなかった人もいたことを明らかにした。個人的な事情か、それとも空港までに検問などが多いため間に合わなかったか、理由は定かではないと語った。

176人のうち未成年34人、永住権所有者13人。カナダ国籍を持つ子どもがいる場合は永住権者の帰国が許されていた。

この第1便以外にアメリカが武漢に送ったチャーター機に余裕があるため、約50人のカナダ人が搭乗したことも発表。同機はカナダのチャーター機と同じようなルートを通るため7日朝にバンクーバー空港に到着し、カナダ人だけ降機する。到着したカナダ人は別のチャーター機でトレントンに向かう予定となっている。

トレントンに到着した帰国者は14日間隔離される。

悪天候でチャーター機がハノイに足止め、帰国が1日遅れる

シャンパーニュ外務相は4日朝にチャーター機がベトナム・ハノイに向かったことを明らかにした。ハノイで中国政府からの入国許可を待ち、6日の深夜には出発できるように現地入りする予定だった。

しかし悪天候のためハノイでの待機時間が延び、武漢出発も約24時間遅れとなった。

パティ・ハイデュ保健相によると、3日の時点で帰国を希望している武漢滞在カナダ人は308人で、280人がカナダ発行パスポートを所持しているとしていた。しかし6日の発表では帰国希望者は373人に増えている。

第1便で帰国できなかったカナダ国民のために10日には第2便を出発させる準備も整っていることをシャンパーニュ外相が明らかにした。第1便とアメリカ便で希望者の約3分の2が帰国したことになる。

ハイデュ保健相は、武漢に滞在し帰国を希望するカナダ国民は日を追うごとに増加していると説明。約2週間前に中国が武漢を封鎖した直後は30人ほどしかいなかった帰国希望者は急増し、現在も数字が変わる可能性があるという。それでも第2便で希望者のほぼ全員が帰国できると見込んでいる。

シャンパーニュ外相は4日の記者会見で、カナダがチャーターした飛行機に搭乗できるのはカナダ発行パスポートを所持しているカナダ国籍者で、新型コロナウイルスに感染した時と似た症状が発症していない人に限定されていると説明した。ただカナダ国籍の子どもを伴っている場合に限りカナダ永住権を保有する保護者も搭乗できることを明らかにした。

この条件はカナダだけではなく、中国政府は外国政府が発行したパスポートを持った外国籍者のみ搭乗が可能と明確にしていると外相は説明。そのため家族によっては全員が帰国できない可能性があることも示唆していた。今回は13人の永住権保有者が帰国している。

ハイデュ保健相は、4日の会見で帰国希望者の中に感染したような症状がみられる国民はいないと語ったが、もし機内で発症した場合はバンクーバー空港で降機させるとしていた。6日にバンクーバーで降機した帰国者はいなかった。

カナダ国内での感染拡大の可能性は依然低い

ジャスティン・トルドー首相は、カナダで新型コロナウイルスが拡大する可能性は依然として低いと6日記者団に語り、国民も関係者も「全員が迅速に責任ある行動をとっている成果」と語った。

チャーター機手配と14日間の隔離のための費用はカナダ政府が全額負担する。