労使交渉が難航しカナダポスト労働組合(CUPW)のストライキが続いている中、カナダポスト側がストライキ解除に向け条件を提示したことが分かった。14日、カナダポストがウェブサイトに掲載した。
条件には、全従業員給与を毎年2パーセント増加することや最高で1人1000ドルの合意署名ボーナスなどが含まれている。その他にも福利厚生の向上や、地方や郊外での労働条件の改善なども提示されているという。
カナダポストはクリスマス商戦前にはストライキを終了させたい意向があり、今回提示された条件は、11月17日午後23時59分までの期限付き提示としている。
カナディアンプレスによれば、CUPW側は今回の条件はストライキを解除するまでの内容になっていないと話しているという。組合側は増加する勤務中のケガについての考慮が足りないと語っていると伝えている。
ストライキは10月22日から始まり、すでに4週目に突入している。オンタリオ州トロント、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバーにある2大集配センターでのストライキで、多くの荷物や小包が未処理のまま山積みになっているという。
最近では、トロントのセンターでは13日からストライキが始まり24時間実施、バンクーバーでは9日夜から12日朝まで続けられた。両センターでのストライキはすでに数回に及んでいる。
未処理の荷物が多いため、例えすぐにストライキが終了しても配達には大きな遅れが生じるとカナダポストは利用者に理解を求めている。
ネットオークション会社が連邦政府にストライキ終了への対応を要求
ジャスティン・トルドー首相は8日、ストライキを交渉で解決できない場合は政府が介入する可能性もあると言及した。
14日には大手インターネットオークションサイトeBayカナダがトルドー首相にストライキの強制終了を求める書簡を送っていたことが分かった。報道によるとeBayに出店している中小規模店に悪影響が出始めているという。
今月は23日にブラック・フライデー、26日にサイバーマンデーと、オンラインショッピングが1年で最も忙しい季節がやってくる。その前にストライキが終了しなければ、オンラインショップの売り上げにも影響するとの懸念がある。
労使交渉は続けられていると一部報道で伝えられている。今回の条件提示をCUPWが承諾しストライキを終結させることができるか。もし承諾しない場合は、強制的に職場復帰させる動議を国会で可決する可能性もある。
カナダポスト労働組合による24時間交代制ストライキとは
CUPWの今回のストライキは、24時間交代制で実施されている。そのため、全国一斉にストライキに突入し、すべての郵便集配業務が停止しているわけではない。
主に市町村単位でストライキは実施され、開始から24時間後には通常業務に戻る。ただ24時間ストライキで業務を停止しているため、未処理業務が溜まり、集配が通常よりも遅れる。それを繰り返すことで集配はどんどん遅れることになる。
またトロントやバンクーバーにある2大集配センターでは、ストライキの影響が大きいため、24時間を超えて実施されているケースもみられる。
どの町でストライキが実行されるかは、毎日カナダポストのウェブサイトに更新されている。
15日には、BC州都ビクトリア市、マニトバ州都ウィニペグ市、ニューブランスウィック州モンクトン市などで実施。これらの町では明日にはストライキは解除され、他の町でまた開始される。
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