カナダポスト労働組合がストライキに突入

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カナダの郵便局カナダポスト労働組合(CUPW)が22日午前零時からストライキに突入した。

ただ全国一斉にメールや小包の集配送が止まるわけではなく、ローテーションでの24時間ストライキとなる。

この日ストライキに入ったのは全国で4都市。ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリア市、アルバータ州エドモントン市、オンタリオ州ウィンザー市が22日午前零時1分から、ノバスコッシア州ハリファックス市が同日午前1時1分から24時間ストライキに入った。

CUPWによれば、これらの都市では郵便物は配達されるが遅れるという。その他の都市では通常通り配達される。

CUPW会員数は全国で約5万人。都市部で4万2000人、地方で8000人となっている。

 

 

CUPW側の要求は給与引き上げと配達物増加への対応

 

カナダポストとCUPWの交渉は10カ月以上続いているが合意点を見いだせていないという。CUPWはカナダポストに先週末の10月21日までに合意できればストライキを回避すると通達したが合意には至らなかったと説明している。

他にも、組合員の健康と安全、性別格差の是正、強制残業の廃止などを要求している。

 

 

郵便物の減少もオンラインショッピングによる小包配送が激増

 

デジタル時代の到来で郵便物の集配は減少しているものの、一方でオンラインショッピングによる小包の配送が激増しているという。

CUPWによれば、配送を終えるのに12時間から16時間かかることも珍しくないという。一日に150個もの小包を一人で配送するのはほぼ不可能、その上に郵便物まで抱えていると現状を訴えている。

カナダではオンラインショッピングが人気で、それに伴い小包の配送の需要が激増。多くの場合は、国内はカナダポストが担当している。他の民間宅配業者比べてその割合はかなり高い。

カナダポストは国営企業のため、全国津々浦々まで配達できるのが強み。そのため、ストライキに入ると都市部よりは遠隔地に、大企業よりは中小企業に影響が出るとされている。

 

 

合法化されたマリファナ配送にも影響か

 

カナダでは今月17日にマリファナ(大麻)が合法化され販売が始まったが、ほとんどの州でオンライン販売が主流となっている。

店舗の開店が間に合わなかった州が多かったため、州政府はまずはオンラインでの販売を一斉に開始した。その配達はほとんどがカナダポストを利用している。

マリファナ販売開始の矢先にカナダポストのストライキだが、CUPWはマリファナの配送にも多少の遅れが出るくらいの影響があると語っている。

 

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