トルドー首相、4州に強制的炭素税導入へ

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ジャスティン・トルドー首相は、連邦政府が来年1月から導入を目指する炭素税について、4州に強制的に連邦炭素税を導入することを発表した。

連邦炭素税が導入されるのは、オンタリオ州、ニューブランスウィック州、マニトバ州、サスカチュワン州。これらの州は、独自の環境対策を導入していない、もしくは導入を発表していないため強制導入の対象となった。

トルドー首相は、炭素税の導入は「気候変動対策としては最善の方法」と記者会見で語った。ノーベル賞を受賞した世界的な経済学者がそれを発表しているとも語った。大気汚染の行為が無料の時代は終わり、温室効果ガスを排出すればその代償を支払わなければならないと主張した。

 

 

 

反対派州政府の台頭により連邦炭素税強制導入へ

 

連邦政府の炭素税は当初は2018年1月から導入される予定だった。しかし州政府へ配慮し2019年導入に延期。連邦政府はその間に各州政府に、連邦政府が導入を進めている炭素税と同様、もしくは同等の環境対策課金制度を独自対策として導入するよう求めていた。

連邦政府の炭素税は、2019年は1トンにつき20ドルが、1年に10ドルずつ引き上げられ、2022年には1トンにつき50トンまで引き上げられる。2018年導入を予定していた時点では、2018年に1トンにつき10ドルだった。

2016年に炭素税導入を発表した時点では、全国の州政府には自由党政権が多かった。しかし今年のオンタリオ州選挙で炭素税反対を訴えていた進歩保守党が圧勝。それまでの自由党政権が導入していたキャップ&トレード制度を廃止した。これで炭素税導入反対派が一気に勢いづいた。

そして当初から反対していたサスカチュワン州とオンタリオ州が組み、炭素税反対を展開。マニトバ州がこれに追随するようにこれまで発表していた独自対策を、連邦政府が同等の対策として認めないと不満を訴え、今月になって突如撤回した。

連邦野党第一党の保守党を含め反対は、炭素税を国民の生活や経済活動を圧迫するだけの対策で効果は乏しいと炭素税導入を批判している。

連邦政府の炭素税は自由党政権によると、税収の90パーセントを州民に還元するという。残りの10パーセントは影響を受ける中小企業や学校などの公的機関に配分されるとしている。

 

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