オンタリオ州で22日に実施された地方選挙は、カナダ最大都市トロント市の市長に現職のジョン・トーリー氏(64)が再選した。
得票率63パーセントと圧勝。唯一のライバルとされていたジェニファー・キースマート氏の24パーセントを圧倒しての再選となった。前回の2014年選挙で初当選した時には得票率は40パーセント、33パーセントを獲得した現在のオンタリオ州ダグ・フォード州首相と接戦した。
今回は市長選では圧勝したが、市議会では反対派が多く、市議会との関係が市政を左右することになりそうだ。
トロント市議では、連邦新民主党(NDP)元党首ジャック・レイトン氏の長男マイク・レイトン氏が三選を果たした。
またフォード州首相の甥マイケル・フォード氏が、トロントの北西にある「フォード王国」と呼ばれている選挙区で再選を果たした。
話題の多かったトロント市選挙、投票率は前回より低い可能性
トロント市の市議選挙は、今年6月に実施されたオンタリオ州選挙で進歩保守党(PC)が圧勝しフォード政権が誕生したことで思わぬ災難に襲われた。
フォード州首相が7月に突然、市議の議席数を半減にすると発表。トロント市は8月に州政府を提訴したが、結局は州議会で半減が決定し、47議席だった前回選挙から25議席に削減された。
それでも大きな混乱もなく選挙は投開票を迎えた。ただ色々な意味で注目された選挙だったが、投票率は前回の2014年選挙よりも低い可能性が高い。期日前投票は前回が54パーセントだったのに対し今回は47パーセント。
議席数が影響したかどうかは明らかになっていない。
オンタリオ州進歩保守党前党首がブランプトン市長として当選
トロント市以外で注目を浴びたのはブランプトン市の市長選挙。新人として立候補したのは、オンタリオ州PC前党首パトリック・ブラウン氏だった。
同氏は、今年1月に全国ネットCTVが放送した番組で性的不適切行為を受けたと女性2人に告白され、党首辞任に追い込まれた。
ブラウン氏は女性2人の告白は事実ではないと行為を否定。PC党首選への立候補を試みたが、結局は出馬を諦めたという経緯がある。
ところが今回の市長選で政界に復帰した。現職リンダ・ジェフリー前市長を破っての初当選。勝利宣言では、「私の政党はブランプトンの人々」と語り、オンタリオ州がブランプトンを羨ましいと思う時が来るだろうと語った。
ブラウン氏の辞任により誕生したのがフォード党首で、6月のオンタリオ州選挙でPCが大勝して現在州首相として注目発言を続けている。
関連記事: