バンクーバー市長、次期選挙に立候補せず

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ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市グレゴール・ロバートソン市長が次期選挙に立候補しない意向を明らかにした。自身のフェイスブックで不出馬を表明後、10日には記者会見を開き「人生で最も難しい決断だった」と記者団に語った。

理由については「個人的なもの」として詳細は語らなかったが、今後は、市だけではなく、州、連邦議会でも立候補するつもりがなく、政界から引退する意向を明らかにした。

 

2020年までに世界一グリーンな都市に

 

ロバートソン市長は2008年に当時のサム・サリバン市長(現BC州議会自由党議員)に勝利し初当選。それまではBC州バンクーバー-フェアビュー選挙区の新民主党(NDP)議員だったが、市長に転身した。その後、2011年、2014年に再選。昨年10月までは4期目を目指して出馬する意向を示していた。

ロバートソン市長と言えば、バンクーバー市を2020年までに世界一グリーンな都市にすることを目指す環境問題都市計画を積極的に推し進めたことで知られている。バラードブリッジを含む町中に張り巡らせた自転車レーンの設置はその一例で、その他、建物の環境基準の強化などに取り組んできた。

一方で、市長として改善を公約した住宅問題と公共交通機関については、遅々として進まなかった。

特に住宅問題では、2015年までに市からホームレスをなくすことを目標に掲げていたが、現実的にはロバートソン市政10年でホームレスは増加している。住宅価格も高騰し続け、現在は市のほとんどの住宅が100万ドル以上と一般市民に手の届かない価格にまで高騰した。

これについて市長は、努力はしたが目標を達成できなくて残念だと道半ばを強調した。最近になって空室の住宅やホームシェアのエアB&Bに課税するなどの措置を実施。しかし市民の中には、市長や市長派のビジョン・バンクーバー党が不動産開発業者とのつながりが強いことを批判している人も多い。

 

ビジョン・バンクーバー、厳しい選挙に

 

昨秋実施されたバンクーバー市議補欠選挙では、ビジョン候補が5位と惨敗した。現在、ロバートソン市長をはじめとするビジョン議員が6人と多数派となっている。

しかし補欠選挙に惨敗したことで、今年10月20日に実施される市長・市議選での苦戦が予想されている。

 

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