今年10月に実施されるブリティッシュ・コロンビア州統一選挙で、バンクーバー市の市長選に、スクワミッシュ・ネーション首長イアン・キャンベル氏(44)が出馬する意向を発表した。もし当選すればバンクーバーで初の先住民族出身市長が誕生する。
キャンベル氏は、ビジョン・バンクーバー党から市長選に立候補するため、まずは同党内での投票で候補者として選ばれる必要がある。
ビジョンは現在バンクーバー市議会でグレゴール・ロバートソン市長を含め過半数を占めている与党。しかし、昨年の補欠選挙に敗れ、今年に入りロバートソン市長が選挙に立候補しない意向を表明した。
現在バンクーバー市議の同党レイモンド・ルイ氏が一時は市長選立候補に意欲を見せていたが、最近になって立候補しない意向を発表。ビジョンは現在候補者選定に苦戦している。
先住民族として取り組んできた事業の成功を強調
キャンベル氏は、スクワミッシュの首長であり、同ネーションの16議員の一人。
2010年2月に開催されたバンクーバー冬季オリンピックでは、連邦、州、市政府とネーションとの連携に尽力。ウィスラー・ブラッコム・リゾートとの新しいリース契約も手掛けた。
こうした実績を挙げて、関係政府や機関、民間会社との関係を上手く構築できる手腕がバンクーバー市に必ず役に立つと自信を見せた。
現在バンクーバー市を生活の基盤としていないが、バンクーバー市とのつながりは深いと強調している。
カナダ第3の都市圏の要となるバンクーバー市の市長に就任するには誰が?
バンクーバー市長選は、ロバートソン市長が不出馬を表明したことで、混戦模様となっている。
ビジョンが立候補者擁立に苦戦しているが、それは野党ノン-パルティザン・アソシエーション(NPA)も同じ。
NPAでは現在、投資マネージャーのグレン・シャーナン氏、バンクーバー公園庁委員ジョン・クーパー氏、ビジネスマンのケン・シム氏の3人が立候補を表明している。
近く正式に候補を擁立する予定だ。NPAは最近になって最も期待されていたヘクター・ブレムナー氏を候補者として認めない決定をして注目された。
無所属での立候補を表明しているのは、サイモンフレーザー大学センター・フォ・ダイアログ理事のショーナ・シルベスター氏と、連邦新民主党(NDP)議員バーナビー・サウス選挙区選出ケネディ・ステュワート氏。
これからもますます混戦が予想される中、誰が選ばれても、トロント、モントリオールに次ぐカナダ第3の都市バンクーバーの顔となることだけは間違いない。