カナダポスト労働組合(CUPW)によるストライキが始まって4週間。労使協定で進展がないまま5週目に突入する。
カナダポストはストライキの終結に向け、14日には17日午後11時59分までの期限付きで新たな条件を提示した。
しかしCUPWはカナダポストの条件提示を1歩前進と評価はしたものの、内容は組合側の納得いくものではないと受け入れを拒否。労使交渉が合意に至るまでストライキを続けるとしている。
ただ17日の期限前には仲介役を任命することをカナダポスト側に提案。連邦政府がこの提案を受け入れるかは発表されていない。
ジャスティン・トルドー首相は17日、自身のツイッターで、クリスマス商戦に入る中で双方とも早急に合意に至るよう呼びかけている。
8日には、必要ならばストライキを終結する処置を取る用意があるとも示唆していたトルドー首相。一部報道では18日中にも連邦政府が何らかの措置を取る可能性があると伝えている。
The Christmas & holiday season is here – and Canadian businesses and families depend on Canada Post. We urge both sides in this labour dispute to resolve their differences quickly and reach a deal.
— Justin Trudeau (@JustinTrudeau) 2018年11月18日
カナダの郵便局「カナダポスト労働組合ストライキ」の最新情報はこちら。
クリスマス商戦への影響を懸念するビジネス業界
カナダでは小売店やオンラインショップが1年で最も忙しい時期を迎える。11月23日にはブラックフライデー、26日にはサイバーマンデーと、オンラインショップ最大の書き入れ時となる。
国内外のオンラインショップの多くがカナダポストを利用しており、ストライキの継続により売り上げに大きな影響が出ると懸念されている。
ネットオークション最大手のeBayカナダに続いて、カナダ小売店協議会もトルドー首相に早急にストライキの収束を求める書簡を送っていることが分かった。
カナダではこれから本格的なクリスマス商戦に入る。その前にストライキの終結を求める声が高まっている。
カナダポストは海外郵便局にカナダへの郵送を一時停止するよう要請
16日には、カナダポストが海外の郵便局にカナダへの郵便物の郵送を一時停止するよう求めていることが分かった。ストライキの影響で未処理郵便物が溜まっているためで、すでに通常より30日の遅れが生じているという。
ストライキがこのまま続けば、未処理郵便物はますます溜まる一方で、いつになれば通常通りの配達になるのか、見当すらつかない事態になっている。
カナダポスト労働組合24時間交代制ストライキとは
CUPWの今回のストライキは、24時間交代制で実施されている。そのため、全国一斉にストライキに突入し、すべての郵便集配業務が停止しているわけではない。
主に市町村単位でストライキは実施され、開始から24時間後には通常業務に戻る。ただ24時間ストライキで業務を停止しているため、未処理郵便物が溜まり、配達が通常よりも遅れる。それを繰り返すことで配達はどんどん遅れることになる。
またトロントやバンクーバーにある2大集配センターでは、ストライキの影響が大きいため、24時間を超えて実施されているケースもみられる。
4週目に入ってからは24時間に限らず、特に主要都市で2日に渡りストライキを実施している都市も多くなっている。
どの町でストライキが実行されるかは、毎日カナダポストのウェブサイトに更新されている。
カナダポストホームページのカナダポスト労働組合(CUPW)ストライキ最新情報はこちら(英語)。
カナダポストのツイッターにも最新情報掲載: @canadapostcorp
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