2026年W杯カナダ開催都市候補は3都市

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3カ国共同開催が決定した2026年サッカーW杯。カナダで10試合が組まれる予定だ。メキシコも10試合、アメリカが60試合となる。招致委員会はカナダ・メキシコ3都市、アメリカ10都市での開催実現を目指している。

カナダ国内で開催都市に立候補しているのは、オンタリオ州トロント(BMOフィールド)、ケベック州モントリオール(オリンピック・スタジアム)、アルバータ州エドモントン(コモンウェルス・スタジアム)。

当初はブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市(BCプレース)も参加を表明していたが、BC州政府が経費を理由に立候補を取り下げた

他の3都市に比べても、世界大会レベルに近いのは5万人以上収容可能なBCプレースのみ。2010冬季オリンピックでは開閉会式に、2015年サッカーW杯女子大会では決勝に使用された会場。

他の3会場は、収容人数が少なかったり、老朽化が進んでいたりと、仮に3都市で開催されることになれば、全てのスタジアムでW杯のために改修工事が必要となる。

 

 

トロント、モントリオール、エドモントン、それぞれに問題を抱えるスタジアム

 

BMOフィールドは、座席数を現在の約15000席から45000席までに大幅に増設しなければならないという。トロント市は臨時増設を申請中としている。トロント市はW杯の費用を約3000万ドルと試算している。

招致委員会は、W杯開幕初日3試合をトロント、メキシコシティ、パサディーナ(カリフォルニア)とリレーしたい考えで、そうなればトロントは45,500人収容の施設が必要となるとされている。

オリンピック・スタジアムは屋根の改修が必要で、ケベック州政府は2億5000万ドルの予算を充て2023年までに改修工事を完成させるとしている。

BCプレースも2010年冬季五輪終了後、冬季パラリンピックの開会式を最後に屋根の改修工事に入った。2011年からMLSに昇格するバンクーバー・ホワイトキャップFCのため、開閉式屋根へと変更。現在の形となっている。

コモンウェルス・スタジアムはスクリーンの増設やメディアセンターの改装が必要とされている。エドモントン市はインフラなどのW杯費用を3000万から5000万と試算しアルバータ州に支援を求めているが、州政府はまだ承諾していない。当初アルバータ州は財政的な支援はしないと発表していた。

さらに、オリンピック、コモンウェルス両スタジアムは、現在の人工芝から天然芝に変更する必要がある。

トロント市のジョン・トーリ市長は、これまでトロント市はパンナム・パラパンナム大会(2015年)やインビクタス大会(2017年)などの国際スポーツ大会を開催した実績があり、費用が掛かることは承知しているが、それに余りある見返りがあると開催に前向きな発言をしている。

カナダ政府は500万ドルを支援すると発表しているが、それ以上必要となった場合にどこまで支援するのかは明言していない。