オンタリオ州の野党進歩保守党(PC)の党首が決定した。投票の結果、新党首に選ばれたのはダグ・フォード氏。今後はフォード党首の下、州議会選挙を戦うことになった。
フォード氏は元トロント市議。弟で前トロント市長のロブ・フォード氏と共にトロント市の改革に取り組んだ。ロブ・フォード氏がガンのため逝去した後、後を継ぎトロント市長選に出馬したが落選。政界から退いていた。
オンタリオ州PC党員としての実績はないが、保守派として知られる。トロント市での経済政策などでの実績を訴え党首に選ばれた。
紆余曲折のPC党首選、発端は前党首のセクハラ疑惑
PC党首選はここまで紆余曲折だった。発端はパトリック・ブラウン前党首の辞任。1月24日に女性2人がブラウン氏から受けたという性的不適切行為を全国ネット放送局CTVで告白した。
ブラウン前党首は女性2人の告白内容を完全否定した。しかし党から辞任を迫られ、25日に辞任を発表した。
党はすぐにヴィック・フェデリ議員を暫定党首に決定、党首選の準備を始めた。クリスティン・エリオット氏、キャロライン・マルローニー氏の名前が立候補の可能性が高い人物として上がったが、最初に党首選に名乗りを挙げたのはフォード氏だった。その後、2人も正式に立候補。さらに、タニア・グラニック・アレン氏が立候補し4人での争いとなった。
ところが、ここに前党首ブラウン氏が立候補を表明した。PCから除名された同日に立候補表明。性的不適切行為の事実関係すら明らかになっていない状況での立候補に、党内では党首選を自身の汚名返上の場にしようとしているとの批判が上がった。
ブラウン氏は約1週間後に立候補を取り下げ。4人での党首選に戻った。その後も、オンライン投票での不備や選挙期間の延長申請などさまざまな問題を起こしながらも、当初の予定通り10日の開票となった。
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選挙結果発表当日も混乱
選挙結果は3回目の決選投票までもつれる予想通りの展開となった。最終決戦投票では、フォード氏とエリオット氏が争った。得票数差は150票以下という接戦だったが軍配はフォード氏に挙がった。
最終結果発表までにも混乱があった。この日の開票は3時には結果が出るはずだった。しかし実際には7時間遅れで発表された。会場にいた党員はすでに帰宅するよう促され、メディアしか残っていない会場での結果発表となった。
さらに、少数差という結果にエリオット氏が不満を示し、結果に不備があった可能性があるとして調査する意向を示し、さらなる混乱を招いた。
エリオット氏にとってみれば、これが3回目の党首選挑戦。選挙に至った経緯も、選挙戦直前までの混乱も考慮すれば、納得がいかなかったのだろう。
しかしその後、フォード氏と話し合ったエリオット氏が調査依頼を取り下げ。ようやく事態はフォード党首ということで収まった。
フォード氏は、自由党政権を倒すために党が一丸となってこれから選挙に向かって戦うと語った。
オンタリオ州議会選挙は6月7日に実施される。
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