BC州補欠選挙は自由党勝利、パイプライン抗争に終止符か?

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ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で14日に実施された補欠選挙で自由党が圧勝した。

選挙が実施されたのはBC州内陸部ケローナ-ウエスト選挙区。自由党から立候補したベン・ステュワート氏が得票率57パーセントで当選した。

与党新民主党(NDP)シェリー・クック氏は23パーセント、グリーン党ロバート・ステュプカ氏12.5パーセント。他にも自由主義党と保守党からも候補者を立てたが全く届かなった。

当選したステュワート氏はカイルス・ゲート・エステイト・ワイナリー創業者。2013年に同選挙区で自由党から立候補して当選した。

しかし、この時の選挙でバンクーバー-ポイントグレー選挙区から立候補したクリスティ・クラーク前党首が落選。補欠選挙で当選できる選挙区が必要となったことからステュワート氏が議員を辞職し、その後、実施された補欠選挙でクラーク前党首が当選した。

2017年5月の選挙でもクラーク前党首がこの選挙区で再選。しかし自由党が政権を取れなかったため、8月に議員を辞職。そこで今回の補欠選挙実施となった。

これで状況は2013年選挙直後に戻ったことになる。ステュワート氏はクラーク前党首が辞職した直後から、この選挙区での議員復活を望んでいた。

ただ議席数は昨年の選挙後に戻っただけで、自由党の過半数には達していない。

 

パイプライン・ワイン抗争に決着?

 

今回の選挙は現在過熱しているキンダーモーガン・パイプライン拡張工事計画を巡る抗争中に実施されたため全国的に注目されていた。

BC州NDP政権が先月ビチュメン輸送についての環境検査強化を提案。これに対してアルバータ州が報復措置として、BC州産ワインの購入を停止することを発表した。

ケローナ地区はそのワイン産地。今回のBC州対アルバータ州の構図が直接影響するか注目されたが、結果は自由党が引き継いできたこの選挙区で変化はなかった。

ただこの結果がBC州ワイン産地のパイプライン承認ということでもない。2013年、つまりパイプライン抗争がなかった時の選挙直後に戻っただけという結果だった。

同パイプライン建設計画は2016年11月に連邦政府が承認、続いて当時のBC州自由党政権が承認した。

反対派、賛成派の激しいパイプライン抗争はこれからも続くとみられている。

 

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