アルバータ州政府がBC州産ワインをボイコット

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アルバータ州政府レイチェル・ノッテリー州首相はブリティッシュ・コロンビア(BC)州産ワインの購入を停止すると発表した。

BC州政府が1月30日に発表したオイルサンド輸送に関する新規制に対する報復措置で、ノッテリー州首相は「報復の可能性も考えないでアルバータ州の産業を攻撃するとこうなるという事実を突き付けて、BC州政府の目を覚まさせるいい第1歩となった」と語った。

アルバータ州はBC州産ワインを年間約1700万本購入、約7000万ドルになる。BC州ワイン産業にとってBC州以外では最大販売先で約10から15パーセント占める。

BC州とアルバータ州のパイプライン抗争は過熱するばかり。ノッテリー州首相は「正直こんな方法は取りたくない。しかし(BC州の措置を)軽く見るわけにはいかない。アルバータ州がしたくてしている争いでもなければ、こちらが仕掛けたものでもない」と語っている。

しかしBC州のワイン産業はパイプライン建設とは全く関係ない。

アルバータ州政府は話し合いが進んでいたBC州からの電力購入についても、話し合いを停止すると発表している。契約が成立すればBC州にとっては年間5億ドルが見込めると試算されている。

ノッテリー州首相は、報復措置の手を今後も緩めるつもりはないと語っている。

 

オイルサンド輸送規制

BC州政府は州内を通るオイルサンド輸送について、パイプライン、列車に関わらず、環境対策の徹底を求める新たな規制を検討していることを発表した

新規制については全ての輸送が対象としていると発表しているが、現在進行しているトランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画を遅らせることを意図した対策であることは明らか。

工事が遅れればアルバータ州のオイルサンド産業に影響が出るため、アルバータ州としてはあらゆる手段を使ってパイプライン建設を進行させるとしている。

同計画はすでに連邦自由党政権が2016年11月に承認している。ジャスティン・トルドー首相もパイプライン建設は進めると断言している。

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