G7がカナダで開幕、注目は6カ国によるアメリカへの関税引き下げ要求か?

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主要7カ国首脳会議(G7)が8日、カナダのケベック州シャルルボワで開幕した。議長国カナダのジャスティン・トルドー首相が各国首脳を迎え、注目のアメリカ・トランプ大統領も姿を見せた。

 

カナダは鉄鋼・アルミへの高関税撤廃を引き出したい考え

カナダではアメリカ政権が発表した鉄鋼・アルミニウムへの高関税に対して、前回は免除されたカナダが含まれていたことにカナダ政府の不満が噴出している。

トルドー首相は3日、アメリカのテレビ番組に出演し、国家安全上の脅威という理由でカナダも対象としたことに「正直侮辱だ」と批判した。

鉄鋼・アルミニウム製品のほとんどをアメリカに輸出しているカナダにとって、鉄鋼25パーセント、アルミニウム10パーセントの上乗せは大きな打撃となる。

トルドー首相はカナダ経済と雇用を守るために最善を尽くすと繰り返した。カナダはクリスティア・フリーランド外相が対抗措置の用意があることを語っている。

今回開幕されるG7会議に参加する全ての国がアメリカの高関税の対象となっている。カナダと共に前回は免除されたメキシコ、欧州連合(EU)も、今回対象となった。G7を前に、イギリスとフランスがアメリカを批判。メキシコ・EUは対抗措置を示唆した。

日本は3月にアメリカが発表した鉄鋼関税の対象となって以降、免除対象とはなっていない。アメリカを除くG7 の6カ国が対象となったことで、今回のG7はG6対アメリカという構図になるのではとの報道がカナダで続いている。

 

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G7開幕前の日米会談に注目が集まる

G7開幕直前にアメリカ・ワシントンDCのホワイトハウスで行われたトランプ大統領と、日本の安倍信三首相との首脳会談に注目が集まった。

カナダで盛り上がっているアメリカの鉄鋼・アルミ高関税についても話し合いがもたれたどうかについて関心が高まった。日本も高関税対象国になっている。

トランプ大統領、安倍首相の記者会見は、CBCがカナダでは異例の全編生中継。関心の高さをうかがわせた。

記者会見の内容は、トランプ大統領が日本との経済関係について冒頭に触れたほかは、6月12日にシンガポールで開催予定の米朝首脳会談の重要性に終始した。

これを受けカナダでは、トランプ大統領と比較的いい関係を築いている安倍首相が、今回の鉄鋼高関税についてトランプ大統領を説得するイニシアティブをとってくれるのではないかとの期待がなくなったと伝えた。

日本にとって重要な案件は、北朝鮮問題であり、北朝鮮から攻撃を受けた場合、日本にとって頼るのはアメリカ1国のみという防衛上の二国間関係を紹介し、米朝会談が日本にとっても非常に重要な位置づけになっていると会談の内容が北朝鮮問題に終始したことを説明した。

さらに、鉄鋼・アルミ高関税についても、日本の場合、輸出先の多くがアジア諸国であり、輸出先がアメリカに集中しているカナダとは立場が違うとして、日本がそれほどこの件について積極的にトランプ大統領に働きかける理由はないとの見解をCBCが伝えている。