先住民族狩りを推奨したノバスコシア元州知事像が撤去される

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ノバスコシア州ハリファックス市の公園に設置されていた18世紀の同州知事エドワード・コーンウァリスの像が撤去された。前日に市議会で撤去を決定、この日像が下された。

ハリファックス市の基礎を築いたとされているコーンウァリス州知事は当時、この地に住む先住民族ミクマック(Mi ‘kmaq)の人々を殺した者に現金で報奨金を与えていたことで知られていた。

コーンウォリス像が設置されたのは1931年。Canadian National Railwayによるもので、その後87年間、この元州知事の名前が付いた公園に立っていた。

しかし、この像をここに今後も設置し続けることに異論の声が上がっていた。昨年7月1日のカナダデーには、先住民族団体がコーンウァリス像撤去を訴えデモを実施。この先住民族のデモに、Proud Boysというカナダの右翼団体がデモで対抗する事件も起こった。この時は暴力沙汰にはならなかったが、緊張感が高まった。

ハリファックス市議会は投票の結果、コーンウァリス像を一時的に現在の場所から撤去し、別の場所で保管することを決定。意見が二分するコーンウァリス州知事の功罪をどのように後世に伝えていくかが決定するまでは撤去したままとすると決定した。

 

先住民族との和解、そして文化伝統の復活へ

カナダには、先住民族に対してカナダ政府が差別的な政策を取ってきた歴史がある。その代表がレジデンシャル・スクール政策で、これにより多くの先住民族が言語、文化、そして、自身のアイデンティティまで奪われた。

これに対し、現在の自由党政権は先住民族との和解“Reconciliation”と、先住民族の権利や文化の復活を後押しする政策を進めている。

こうした動きの中で、英雄として称えられてきた18世紀頃にヨーロッパから来た先駆者たちで、先住民族に対して非人道的な行為や政策を行った政治家たちの像の撤去や、彼らの名前が冠された施設や機関の名称変更などが行われている。