カナダにおけるLGBTQ2コミュニティ

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LGBTQ2とは、Lesbian、Gay、Bisexual、Transgender、Queer、2-spirited peopleの頭文字をとった単語で、LGBTと短くしたり、もう少し細かく分類した単語が用いられたりすることもある。

カナダでは1965年に同性愛者と認めた男性が1967年に「危険な性犯罪者」として刑務所に送られるという事件が起きた。

[blockquote align=”right” author=”Former Justice Minister Pierre Trudeau”]I think the view we take here is that there’s no place for the state in the bedrooms of the nation. I think that what’s done in private between adults doesn’t concern the Criminal Code.[/blockquote]

しかし、1967年12月22日、ジャスティン・トルドー首相の父親ピエール・トルドー元首相が法務相だった時に、同性愛者に対しての規制を緩和する刑法修正案を提出。この時トルドー法務相は「政府が個人のベッドの中にまで干渉する必要はない」と語った。

1969年法案は可決され、カナダでは同性愛行為を非犯罪化された。2019年は非犯罪化から50周年となる。今回の補償には50周年記念に関する予算も含まれている。

1992年11月、連邦裁判所は同性愛者のカナダ軍入隊を禁止する法律を撤廃した。同年12月当時の進歩保守党キム・キャンベル法務相が同性愛者の権利をカナダ人権法に加える法案を提出したが結局可決しなかった。可決されたのは1996年。

2000年2月11日、当時の自由党政権ジャン・クレティエン首相は同性カップルの権利をコモンローカップルと同様にする法案を提出。これは1999年5月の最高裁判所の判決に従ったもの。同年4月11日に可決。ただし結婚に関する項目に同性を認めるとする変更は加えなかった。

2003年7月10日、オンタリオ州裁判所が同性結婚を認めないのは権利と自由の憲章に違反するとの判決を下す。事実上の同性婚容認となった。翌日同州政府は裁判所の判決に従うことを表明。カナダで初めて同性婚が公式に夫婦と認められることになった。同年7月17日ブリティッシュ・コロンビア州が続いたが、公式に認められたのは翌年7月。

2005年7月20日、連邦政府は自由党ポール・マーティン政権時に同性婚を認める法案を可決した。2006年保守党が政権を奪取後、同性婚について議論を再開する法案を提出したが否決され、同性婚が確定した。

2017年11月28日下院で自由党政権ジャスティン・トルドー首相が公式に謝罪した

国として同性婚を認めたのは、世界で4番目。この時、オランダ、ベルギー、スペインですでに同性婚が認められていた。

カナダは国として人権問題において先進的なイメージがあるが、裁判で憲章違反が認められても、法案の改正するまでに長い期間を要するなど、政治が差別を助長した側面も大きい。

そして性的少数派に対する差別は現在でも根強く残っている。カナダ統計局が発表した差別に関する報告書でも、性的少数派に対する差別犯罪が民族や宗教に対する差別犯罪と比べてより暴力的なものが多いことが明らかになっている。