BCグリーン党ウィーバー党首、1月に辞任へ

176

ブリティッシュ・コロンビア(BC)州グリーン党アンドリュー・ウィーバー党首が来年1月に党首を辞任すると発表した。

今年10月7日にはすでに党首辞任を公表していた。しかし次期党首が決まるまでは党首を続けるとも語っていた。それが次期党首決定を待たずに辞任となる。そのため1月に党首選に入るまでに暫定党首を決定することも同時に発表された。

次期選挙に立候補しないこともすでに公表しているが、議員として任期は全うする。

グリーン党は3議員しかいないため、暫定党首は議員以外から選出すると発表している。BC州では2021年に選挙が予定されている。

グリーン党3議席がBCNDP政権を支える

ウィーバー党首はカナダで初めて、州議会でグリーン党議員として当選した。初当選は2013年。一人での当選となった。

2017年選挙では3議席を獲得。カナダで初めてグリーン党が議会で複数議席を獲得するという歴史的な偉業を成し遂げた。

そのわずか3議席が、現在のBC新民主党(NDP)少数派政権を支えている。

2017年のBC州選挙では、それまで政権を16年間続けてきた自由党がNDPよりも議席を多く獲得した。しかし過半数には1議席届かなった。自由党が43議席、新民主党(NDP)は41議席、グリーン党3議席。

そこでNDPとグリーン党が公式連立を組まずに政策で協力することで合意。最多議席の自由党を不信任とし、NDPグリーン協力政権でここまできている。

ウィーバー党首が辞職すればこの微妙なバランスが危うくなる。そのためウィーバー党首は辞職せず任期を全うすることを強調した。これでNDP政権体制が変わることはないとみられている。

環境問題に精通した世界的学者ノーベル平和賞も受賞

ウィーバー党首は10月の発表時に辞任について「決して安易に決めたわけではない」と述べた。気候変動への関心が高まっている今、新しい世代にバトンを渡すにはいい時期だと思うと語っていた。

ただ今年9月には中耳炎で一時入院したという。党首辞任の決断は病気とは関係ないと強調していたが、辞任を早めたことで体調不良が理由ではとの声が上がっている。

政治家になる前はBC州ビクトリア市のビクトリア大学教授で、環境問題研究者としても国際的に知られている。

環境問題では国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発行している評価報告書の第2次から第5次まで主執筆者として貢献し、第4次評価報告書が発行された2007年にはアル・ゴア元アメリカ副大統領らとともにIPCCとしてノーベル平和賞を受賞している。