市長選、バーナビーとサレーで予想を覆す:BC州地方選挙

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ブリティッシュ・コロンビア州で20日に実施された地方選挙でバンクーバー市では約10年ぶりに市長が交代し、ケネディ・ストゥワート氏が新市長に選ばれた

選挙が実施されたメトロバンクーバーの21市町村では13市で現職市長が引退を表明、少なくとも13新市長が誕生することが投票前から分かっていたが、開票の結果16人の新市長が誕生したことが分かった。

 

 

 

バーナビー市コリガン市長、6期目ならず

 

最も驚きを持って受け取られたのがバーナビー市デレク・コリガン前市長の落選。立候補した現職市長の中でも5期連続当選を果たしていただけに、新人候補の元消防士マイク・ハーリー氏が6000票の大差をつけ当選したのは大きなニュースとなった。

ハーリー氏は「すごく圧倒されている。選んでくれたバーナビー市民にすごく謙虚な気持ちだ」と語った。

ただ市議はコリガン前市長が率いていたバーナビー・シチズンズ・アソシエーションが8人中7人当選。残りの1議席はグリーン党で、ハーリー氏がどのように市議会をまとめるのかがカギとなりそうだ。

 

 

サレー市は元市長が13年ぶりに返り咲き

 

サレー市では同市元市長ダグ・マッカラム氏が市長に返り咲いた。これまで13年間サレー市議会を圧倒していたサレー・ファーストから擁立された元市議トム・ギル氏が次点。

マッカラム氏はセーフ・サレー・コアリションから出馬。サレー市に建設される予定の公共交通機関サレーLRTの代わりにスカイトレインの延長と、現在サレー市の治安を担当している連邦警察(RCMP)に代わり、サレー市独自の市警設立を2大公約に掲げて選挙戦を繰り広げた

結果は約17,000票差をつけて圧勝。市議会もセーフ・サレー・コアリションが8議席数中7議席を獲得。サレー・ファーストは辛うじて1議席を確保するにとどまった。

選挙戦ではギル氏がリードしているとされていたが、元サレー・ファーストで今回はインテグリティ・ナウから出馬したブルース・ヘイン氏との間で票が割れたことでマッカラム氏に大差をつけられたのではないかと分析されている。

マッカラム氏は73歳。1996年から2005年までサレー市長を務め、2005年の選挙でサレー・ファーストのダイアン・ワッツ元市長に敗れた。ワッツ元市長が2015年の連邦選挙に出馬するため2014年の選挙には出馬せず、同じサレー・ファーストからリンダ・ヘプナー氏が出馬し当選。1期務めたが家族との時間を大切にしたいと今回の選挙には立候補しなかった。マッカラム氏は2014年選挙にも立候補したがヘプナー前市長に敗れている。

当選後マッカラム氏は、LRTからスカイトレインへの変更も、サレー市警設立も、サレー市だけでは決定できないことについて、方法は検討中だが可能だと自信を見せた。

 

 

ビクトリア市ではヘルプス市長が再選

 

ビクトリア市長選ではリサ・ヘルプス市長が再選を果たした。ヘルプス市長と言えば、今年8月にビクトリア市役所前のカナダ初代首相ジョン・マクドナルド氏の銅像を撤去して物議を醸した。

その他にも、元ビクトリア市警長官フランク・エルスナー氏に対する内部捜査のやり方など、批判を浴びることが多い1期目だったが、約4,000票の差をつけて2期目の当選を果たした。

勝利宣言では、自分を支援してくれた市民だけではなく「私に投票しなかった市民も含めて全ての市民のために貢献できることを楽しみにしている」と語った。

 

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