今季キャプテンを務めたDFワストン(#4)が「来季はキャップスに残りたくない」と語った。契約をまだ残したキャプテンがここまではっきりと残留否定をメディアに堂々と語るのは珍しい。
理由は「2面性を持った人がいるチームではやっていけない」と言う。これまでも割とはっきりと自分の意見を言うタイプではあった。
しかし今回はチームがプレーオフを逃した後のシーズン終了記者会見での残留否定。よほどのことがあったのだろう。
これが直接誰のことを指しているかは明言しなかったが、ボブ・レナデゥーツィ社長は自身の会見の中で、「彼とはこの1週間でその件で話したが、フロントのことではないと言っていた」と語った。ロッカールーム内のことではないかと推測した。
ただ、今季5試合を残してカール・ロビンソン監督を解雇した時は、ワストンがこの決定にかなり批判的な発言をしていたことも事実だ。
まだプレーオフへの望みが残っているあの時点での監督解雇は、確かにチームをバラバラにした感じがあった。
レナデゥーツィ社長は、それまでにもチーム内がまとまっていない様子は感じていた、監督の解雇でそれが加速したということはあると説明した。
それでも監督解雇については、次の監督候補への準備のためには必要な措置だったと釈明した。
ワストンがホワイトキャップスを離れるとなれば、手を挙げるチームは結構あるだろう。レナデゥーツィ社長はトレードとなればそれだけの価値でトレードする先を探すと語った。ただ選手の選定は次期監督に委ねるとしている。新監督はまだ発表されていない。
ワストンは大型ディフェンダーでゴールも狙える攻撃型。守備でミスが目立つことも多かったが、得点力は高い。コスタリカ出身で、今年ロシアで開催されたFIFAワールドカップではコスタリカ代表として出場し、チームW杯初ゴールをもたらした。ワストンの去就については注目されるところだ。
来季は新監督を迎え、おそらくガラリとチームが変わるはずだ。そろそろラテン系選手ばかりを集めるのはやめて、バランスよくいい選手を取ってくることをした方がよさそうだ。
これまでは予算の関係で、なかなか大型選手を取ってくることも厳しかった。カナダの北米プロスポーツはMLSに限らず、経営は厳しい。アメリカのチームと同じリーグのため、選手に支払う報酬はアメリカドル建て、しかしチームへの収入はもちろんカナダドルだ。
トロントのような大都市ならまだしも、バンクーバーのような中規模都市ではなかなか厳しい。
またホームが人工芝ということや、カナダのチームということで、入団を拒否する選手もいたと聞く。
この点について同社長は、チームの評判は悪くない、来たいという選手は多くいると自信をのぞかせた。
さらに来季に向けては予算も組める。デイビーズの移籍金2200万ドルがある。まだ支払われていないらしいが、それでも予定は立てられる。
まずは新監督。近いうちに発表とのこと。それから選手の選定に入る。大型選手の獲得も視野に入れているとも噂されている。
さて来年はどんなチームになるのか?これから年末にかけて注目だ。