中国系カナダ人ミュージアムにBC州が100万ドル支援

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ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府は中国系カナダ人の歴史を伝えるミュージアム建設の準備に100万ドルをバンクーバー市に支援することを8日発表した。

BC州内の中国系移民の歴史と経験を他の中国系コミュニティと共有するハブ的存在にすることが目的という。

この日バンクーバー市ストゥワート・ケネディ市長やBC州ジョージ・チョー貿易担当相らが式典に集まった。

チョー貿易担当相は中国系カナダ人がBC州に貢献してきたこれまでの歴史や物語を後世に伝える必要があるとの意見を受けたと語った。

1982年に中国系カナダ人で初めてバンクーバー市議に当選したビル・イー氏は、ミュージアムがバンクーバーのチャイナタウン近くに居住していない他の中国系コミュニティとの架け橋になればいいと思っていると語った。

二分化されるバンクーバー中国系移民

カナダへの中国系移民は、古くは1800年代後半からBC州バンクーバーを中心に移民し、当時日系やインド系同様にアジア系への差別が激しかったバンクーバーで自分たちの地位を築いてきた。

バンクーバーのチャイナタウン(中国人街)は世界最大を誇ると言われている。

そうしてカナダで中国系カナダ人として代々カナダの発展に貢献してきた。

しかし近年中国経済が発展し富裕層の中国移民がバンクーバーに急増している。彼らは中国系カナダ人らと一線を画す。

その象徴が、香港で現在起きているデモ活動への支援を表すバンクーバーでのデモだった。香港の民主主義が侵されるかもしれないことを危惧した若者らが起こしたデモを支持する派と、中国政府を支持する派が対決した。

中国支持派は、香港支持派のデモ会場にフェラーリなどの超高級車に中国国旗を付けて乗り付け、一種異様な光景となった。

しかし同じ中国系移民としてバンクーバーでの中国系カナダ人移民の歴史を紹介するミュージアムを通してコミュニティが一つになることを願っているのかもしれない。