BCライオンズは昨日、前半を終え0‐17と完全に敗戦まっしぐらだった状況から、奇跡のカンバックで大逆転勝利を収めた。
その後半のイケイケムードの中心にいたのがQBルーレイ。彼の復活にはもっと驚いた。
正直、彼はすでに引退したと思っていた。昨季長年故障していた肩がようやく全快し、若手QBジェニングスが調子を落とした7月に復帰。絶好調で連勝の立役者となった。
しかしそんなベテランQBを再びケガが襲った。今度は9月8日ホームでのモントリオール・アロエッツ戦でヒザを痛めた。昨季はそのまま戻ってくることはなかった。チームは西地区最下位で、実に1996年以来21年ぶりにプレーオフ進出を逃した。
ルーレイはすでに33歳。この歳でのヒザの故障に、もう現役復帰はないのでは、正直引退したと思っていた。
今季はずっとユニフォームを着ないでサイドラインで見守っていた。次期コーチ、もしくは監督候補かと思っていた。
ところが、先週ルーレイの復帰が発表された。しかも土曜日の試合に行ってみると、なんと先発。プロ選手は凄いと改めて思った。
後半大逆転の中心にいたルーレイ
ルーレイの復帰に驚いたのは事実だが、前半の試合運びを見て、勝てる気はしなかった。ルーレイに問題があるようには見えなかったが、攻撃が結構単調で、パスも、ランも、なかなか成功しない。ベテランQBの力をもってしてもダメなんだなって思った。
一方、ブルーバマーズにはRBハリスがいた。元ライオンズのRB。相変わらず切れのいい走りで前半はランを稼ぎまくっていた。
ディフェンスにはやはりライオンズで活躍していたLBビッグヒルがいた。要所、要所で攻撃が止められていると思ったら、彼だった。去年NFLに挑戦したが、今年はCFLに復帰した。
0‐17で前半を終えて、今季もこのままズルズルと負けるのかと思っていた。前週、前々週はアウェイで散々な負け方だった。
それでも第3クオーターでフィールドゴールが決まると一気にチームが活気づいた。パスも、ランも、通るようになった。
特にパスは、前半が93ヤードだったのに対して、後半は140。前半は圧倒的だったブルーバマーズの攻撃を完全に封じ込め、反撃に出た。
試合後ルーレイは「ハーフタイムに気合を注入した」と言った。「ここまで2連敗して、ホームでも0‐17でリードされ後半に入って、先週3タッチダウン差で負けたチームにまた負けるわけにはいかない」。その通りだ。
「なんとか踏みとどまって勝利できた」。そこにはディフェンス陣の踏ん張りがあったと強調した。「肝心なところでターンオーバーしてくれた」とルーレイ。「攻撃陣にいいリズムを与えてくれた」とチーム一丸での勝利を強調した。その中心にベテランQBの姿があった。
ここから一気に上昇気流へ?
これで今季の成績を2勝2敗とした。勝ち点も4となった。CFLは全18試合。今週は開幕から第5週。ライオンズは4試合目とはいえ、シーズン序盤から1勝3敗と負け越すのと2勝2敗では大きな差だ。
この試合が、シーズンが終わってみればターニングポイントだったということも大いにあり得る。それほど重要な勝利だった。
これで西地区3位に浮上した。首位カルガリー・スタンピーダーズは今季も調子がよく4戦負けなしで独走中だ。
これからライオンズは首位スタンピーダーズの背中を追いかける。ここから一気に上昇気流に乗れるか? 次はオタワでレッドブラックスと対戦する。