サッカーカナダ男子はW杯カナダ開催に向け強くなれるか?

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連日盛り上がっているサッカーW杯ロシア大会。6月14日から開幕したサッカー最高峰の戦いは、大金星続出、驚きの連続で、サッカーファンならずとも楽しめる展開が続いている。

このW杯開幕前日、カナダにロシアから朗報が届いた。カナダでとうとうW杯が開催されることになったのだ。

 

メキシコ、アメリカとの3カ国共同開催

 

ユナイテッド2026招致委員会が、6月13日にロシアで開催されたFIFA総会でモロッコを破って開催国に決定した。

カナダにとっては悲願のW杯開催。アメリカでは1994年に、メキシコでは1970年、1986年の2回すでに開催されている。北米では唯一カナダだけが開催していなかった。

カナダも実は1986年コロンビアが開催から撤退した時に代わりの開催国として招致したが、メキシコに決まった。カナダ代表がW杯に出場したのはこの大会が最初で最後。この年はカナダがW杯開催に最も近い年だった。

それから40年を経てようやく悲願が実現する。

 

 

アメリカからの打診だった

 

3カ国共同開催となったのは、アメリカからの打診があったからとカナダのメディアに出演した専門家が語った。

アメリカは単独での開催を目指したが、2022年カタールに敗れた。そこで3カ国共催という発想になったという。

その専門家によれば、アメリカはカリフォルニア州だけでも単独開催できる力を持っているのだとか。カナダやメキシコの力を借りなくても単独開催できる能力は十分あるが、それでも3カ国で開催することにメリットを感じたのだろう。おかげでカナダは初のW杯開催が実現することになった。

3カ国のうちロシア大会に出場しているのはメキシコ代表のみ。カナダはもちろんアメリカも出場権を逃した。

CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)からは3.5チームが出場可能で、ホンデュラスがプレーオフでアジア地区のオーストラリアと対戦し敗れたため、今回は、メキシコのほか、パナマ、コスタリカの3チームが出場している。

 

男子カナダ代表の復活がW杯成功のカギ?!

 

わずか10試合とはいえ、カナダ国内の男子サッカーがこれで盛り上がることは間違いない。

ロシア大会では、CONCACAFからは第5ラウンドに残った6チームのうち上位3チームがW杯出場権を獲得し、4位のチームはアジア地区とのプレーオフへと進む。勝てばW杯出場が決まるという仕組みになっている。

カナダはロシア大会予選、第4ラウンドで姿を消した。自力出場するにはまだまだ壁がある。

カナダ男子は現在FIFAランク79位。これでも上がってきた方で、一時は100位以下まで順位を下げたこともある。前回W杯に出場したのは1986年メキシコ大会の一回きり。この辺りがカナダで男子の国際大会が開催されない理由の一つだ。あまりにも弱い。

しかし、サッカー人口も増え、MLS(メジャーリーグサッカー)にも参加し、来年にはカナディアン・プレミア・リーグが開幕する。そろそろ強くなってきてもいい頃だ。

カナダはどの競技も割と強くて、オリンピックでも夏季・冬季を問わずメダルを稼ぐ、実は結構なスポーツ王国。パラリンピックだって例外ではない。アイスホッケーだけが強いわけではないのだ。

それなのに男子サッカーだけが唯一なぜか弱い…。

それでも期待は大いにある。今年から男子代表監督に、昨年まで女子代表を率いていたジョン・ハードマン監督が就任した。バンクーバー・ホワイトキャップスFCで活躍している17歳のアルフォンソ・デイビーズ選手など楽しみな選手も多い。

2026年を待たず、2022年W杯出場を目指すというハードマン監督。女子をオリンピック銅メダルに2回導いた手腕がどのくらい男子で通用するか期待したいところだ。

その先に2026年W杯でのカナダ代表の活躍があれば、サッカーが盛り上がることは間違いない。