圧倒的に押しまくるも結果は辛勝:ホワイトキャップス

301

 

最初から最後までホワイトキャップスのペースで運んだ試合だった。しかし終わってみれば僅差の辛勝。ロスタイムに入ってからのまずい守備にそれまでの攻撃の印象が薄れた。

 

9月1日(BCプレース:22,120)
バンクーバー・ホワイトキャップスFC 2‐1 サンノゼ・アースクエイクス

先制はホワイトキャップス。22分にFWレイナ(#29)の中央からのパスにFWカマラ(#23)がかすり、MFデイビーズ(#67)の前に転がってきたボールを左足で決めた。このゴールで前半は1‐0とホワイトキャップスがリードして折り返した。

後半も積極的な攻撃を見せたが、なかなか得点に結びつかなかった。追加点は78分。MFテチェラ(#13)に変わって71分から出場したMFメスキーダ(#11)が中央でFWレイナのパスを受け、右足で豪快なミドルシュート。ボールはGKの手をかすめてゴールネットへ吸い込まれ、待望の2点目が入った。

試合はこのまま無失点で終わると思われたが、ロスタイムに入った瞬間、ゴールを許した。

試合が終わると思った瞬間に気が緩むのだろうか。これでホームでの試合間際の失点は3試合連続。その後も、一瞬ひやりとするゴール前の攻防があったがなんとか守り切り、2‐1で勝利した。

 

 

終盤の失点も2連勝をポジティブに捉えて次につなげたい:ロビンソン監督

 

相手は2週続けて、西カンファレンス最下位のアースクエイクス。前週8月25日サンノゼでの一戦では3-2で勝利した。しかし試合内容は納得のいくものではなかった。

そしてこの日は会場をBCプレースに変えて、再びアースクエイクスと対戦。辛勝だったが内容の濃い試合だった。

ロビンソン監督は、「今日はいい試合だった。積極的だったし、動きもよかったし、笑顔も見えたし」と試合全体を通していい内容だったと選手たちを称えた。

ただ、「91分まではね」と監督。「(終盤は)いつものホワイトキャップスの悪い癖が出た。わざと面白い試合にしようとした感じだ」と苦笑いした。

「クリーンシートにならなかったが、今日は勝って勝ち点3を取ることができた。それをポジティブに捉えたい」と前週のアースクエイク戦での課題を練習で修正して試合に臨むことができた結果と前向きにとらえた。

この日、一番の活躍と称えたのはボランチに入ったMFガザイ(#66)。地味なポジションで、「なかなか評価を受けにくいポジションだが、いい働きをしてくれた。国の代表としてポーランド戦に出場して、自信をつけたようだ」とエジプト代表として出場した国際試合での経験が自信になっていると嬉しそうだった。

終盤ひやりとした場面はあったが終わってみれば2‐1と勝ち点3をなんとかつかんだ。これで11勝9敗7分、勝ち点を40に伸ばして7位に浮上した。

 

MLS西カンファレンス6位以内へ、あと一歩

 

前週勝利して、勝ち点を37まで伸ばしたホワイトキャップス。それでも順位は西カンファレンス8位(10勝9敗7分)と変わらなかったが、この日の勝利で、ようやく7位に浮上した。

プレーオフ圏内の6位以内まであと1歩。

しかも勝ち点では、6位ポートランド・ティンバーズが41、5位シアトル・サウンダーズFCも41と、1ポイント差。次の試合はバンクーバーでのサウンダーズ戦。ここで勝てば、一気に6位以内に浮上する。

さらに西カンファレンスは、1位のFCダラスが9月2日時点で勝ち点49と少しリードしているが、2位ロサンゼルス・フットボールクラブの勝ち点46以下は、3位スポーティング・カンザスシティ同45、4位リアル・ソルトレイク同44と混戦状態。

ホワイトキャップスはあと7試合を残している。この2連勝でまだまだ上を狙える状況が整った。

来週は試合がなく、次は9月15日サウンダーズ戦、続いて9月23日FCダラス戦と上位チームが続くが、ホームでの試合となる。ホームで連勝すれば、プレーオフ進出がグッと現実味を帯びてくる。

9月に入り、秋が深まるバンクーバーで、MLS西カンファレンスはさらに熱くなっていく。

 

今季のホームゲーム:BCプレース

9月15日(土)7:00 pm シアトル・サウンダーズ戦

9月23日(日)4:00 pm FCダラス戦

10月17日(水)7:00 pm スポーティング・カンザスシティ戦

10月28日(日)1:30 pm ポートランド・ティンバーズ戦