難民キャンプからドイツ名門サッカークラブへ、カナディアンドリームを追いかけて

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バンクーバー・ホワイトキャップスFCアルフォンソ・デイビーズ選手のドイツ・ブンデスリーガへの移籍が決まったのは7月24日。移籍金がMLS史上最高だったこともあり大注目を浴びた。

以来、なにかと注目され続けているカナダの17歳が、今回はナイキのコマーシャルにも選ばれ話題になっている。

ナイキのコマーシャルといえば、今年は “Just do it”の30周年記念広告の顔として、2年前に物議を醸したアメフトNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)サンフランシスコ・フォーティナイナーズ(49ers)元クオーターバック(QB)コリン・キャパニック氏を起用して話題になっている。

彼は人種差別について訴えるため、試合前の国歌斉唱の時に片膝をつき抗議をして一躍有名になった。以降、NFLでは同様の抗議がほとんどのチームで行われ旋風が巻き起こったが、彼と契約するチームは出ていない。

そんな彼を起用したことで、コマーシャルは世界中のニュースとなったわけだが、キャパニック氏が出演しナレーションをするコマーシャルに、カナダの若干17歳のプロサッカー選手が出ているのだからカナダで話題にならないわけがない。

デイビーズ選手の生い立ちが注目されての起用だった。

 

YouTubeナイキコマーシャル: https://www.youtube.com/watch?v=-hIc_epqfI0

 

 

 

ガーナの難民キャンプからドイツ名門バイエルン・ミュンヘンへ

 

デイビーズ選手はアルバータ州エドモントン出身。しかし生まれはガーナの難民キャンプだ。両親がリビアの内戦をくぐって逃れてたどり着いたのがガーナの難民キャンプだった。そこで生まれたデイビーズ選手は5歳の時に難民として家族とともにカナダに移民した。

育ったのがエドモントン。今年6月にロシアで行われた2026年W杯開催地を決定するFIFA総会で、自身の生い立ちを各国サッカー連盟代表の前で語った。

カナダ代表に選ばれ2026年W杯に出場し、エドモントンでプレーするのが夢だという。エドモントンはカナダでの開催都市候補に名乗りを挙げている。

デイビーズ選手は2015年に15歳でホワイトキャップスデビューを果たし、MLS最年少記録を塗り替えた。

そして、今回若干17歳で、ドイツ・ブンデスリーガの名門バイエルン・ミュンヘンと契約した。

両親も喜んでいるということをニュースとホワイトキャップスのホームページが伝えた。まさしくカナディアンドリームだ。

そんな彼の生い立ちがナイキのコマーシャルで紹介されている。カナダのような公平性が国の骨幹を成す国でも難民として移民して成功するのは難しい。

両親や家族の努力は並大抵ではなかったはずだ。

それでもサッカーで夢をつかんだ。16歳ですでにカナダ代表にも選ばれている将来性抜群の17歳。今季はホワイトキャップスでプレーするが、来年1月にはドイツに移籍する。

ドイツでも素晴らしい活躍を期待したい。そして、一回りも、二回りも、大きくなって、カナダ代表として2026年カナダ開催のワールドカップで大暴れしてもらいたい。

W杯開催時には26歳。脂の乗り切ったデイビーズ選手にますます期待が膨らむ。