オンタリオ州非常事態宣言、アルバータ州でも新型コロナウイルス対策強化

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オンタリオ州ダグ・フォード州首相は17日、非常事態宣言を発表した。同州ではこの日で新型コロナウイルス(COVID-19)感染者が190人となり、初の死亡者も確認された。死亡したのは77歳男性で感染の疑いがあったが死亡したあとに感染が確認されている。

フォード州首相は「これまでに例がない事態に直面している。(非常事態宣言を発表するあたり)非常に慎重に検討した結果」と州民に語った。

非常事態宣言により州は規制を強化した。デリバリーとテイクアウトサービスを除くレストランやバーでの営業停止を決定。州営酒店の営業時間を午前11時から午後6時までに短縮した。

さらに50人以上の集会を3月31日まで禁止。レクリエーションセンター、劇場、コンサート会場、図書館、宗教関連施設、私立学校、認可デイケアが含まれる。オンタリオ州では12日には公立学校を3月14日から4月5日まで休校としている。スプリングブレイクが終わったあと2週間の休校となる。

ただし、公共交通機関、ショッピングモール、商店、薬局は対象外とした。

フォード州首相は緊急事態宣言が州全体を閉鎖するものではないと語り、多くのビジネスや日常生活は通常と変わらず続行できると語った。

アルバータ州では公衆衛生非常事態を宣言

同日、アルバータ州でもジェイソン・ケニー州首相が公衆衛生非常事態を宣言した。公衆衛生に関連した事態にのみに適用されるもので、状況は非常に重大な局面を迎えていて「断固とした行動を必要としている」と語った。

これにより50人以上の集会を禁止とし、公共レクリエーションセンター、カジノ、ビンゴホール、バー、ナイトクラブ、フィットネスセンター、アリーナ、美術館、屋内の子ども用遊戯施設が利用できなくなる。

レストランやバー、デリ、カフェでの店内飲食では一度に収容する人数を50人以下、もしくは最大収容数の50パーセントのどちらか少ない方を適用しなければならないとした。ドライブスルー、テイクアウト、デリバリーは対象外。50人以上が集まる場合は、結婚式、葬儀、会議も例外ではないとした。商店、空港、ホームレスのシェルター、アルバータ州議会は対象外。

ケニー州首相は州民には日常生活で不便を強いるかもしれないがこの非常事態を乗り切るには必要な措置と理解を求めた。アルバータ州では3日前までは感染者が約40人だったが、この日97人となった。国内ではオンタリオ、ブリティッシュ・コロンビアに続いて多い数字となっている。

オンタリオ州、アルバータ州の今回の措置は、ソーシャルディスタンスといわれる対応で、人と人の間隔を約2メートル離すことが目的。世界の都市でこの方法よる効果が現れているという。

自己隔離中のジャスティン・トルドー首相は17日にも自宅前から会見を行い、今回の困難を国民全員で乗り切るために一人ひとりができる感染防止対策を徹底する必要があると語り、ソーシャルディスタンスもその一つと強調した。

この日カナダでは感染者が598人となり、8人が死亡、12人が完治したと発表された。