トルドー首相、国会再開は12月5日、新内閣は11月20日に発表

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総選挙を10月21日に終え、少数派政権として新内閣で臨む国会は12月5日に再開されることが12日発表された。当選した議員が選挙後初めて顔を合わせることになる。

まずは議長を選出し、次いでカナダ総督ジュリー・パイエッテ氏が、与党自由党が用意した議会開会の式辞を上院で読み上げる。

与党が用意した政策を読み上げる議会開会の式辞では、今回は気候変動対策、銃規制、ファーマケア、生活にゆとりを取り戻すアフォダビリティ政策、中間層への減税など選挙公約としていた内容が盛り込まれる可能性が高いとみられている。

その前に11月20日には新内閣が発表される。10月23日にすでに新内閣発表日程は公表されていた。厳しい政権運営が予想される新内閣の顔ぶれに注目が集まる。

野党の協力を得られるかがトルドー政権信任のカギに

式辞内容は議会で承認されなくてはならない。これが事実上の内閣信任投票となる。多数派政権ならば問題はないが、少数派政権の場合、式辞内容を承認されるには野党の協力が必要となる。

ジャスティン・トルドー首相は、この日野党第一党保守党アンドリュー・シェア党首と会談した。会談前にトルドー首相は国民は先月の選挙で党が協力して政策を進めることを選んだと語り、「それをこれから実行していきたいと思う」と語った。

約30分の会談終了後にシェア党首は、式辞を承認するかは内容次第と記者団に語った。保守党の声明によると、シェア党首は会談の中で保守党の要求を伝えたという。内容は、天然資源産業の発展のための研究機関を設置すること、妊婦への税免除、背任行為への厳罰化、環境規制の無効化などだったと発表している。

現在の座席状況では、野党全党が組めば自由党への不信任を可決できる。しかしシェア党首は、野党の他の党首と会談する予定は今のところないと語った。

トルドー首相は14日には新民主党(NDP)ジャグミード・シング党首と会談する予定と首相事務所が発表している。保守党よりも政策的に近いNDPの支持が受けられるかがトルドー首相にとってはカギとなる。

現在の議席数は、自由党157、保守党121、ケベック連合党32、NDP24、グリーン党3、無所属1となっている。