環境問題に積極的に取り組むと公約している連邦自由党政権が、新たに発表した環境対策でソーシャルネットワーク(SNS)では大企業優遇と批判の声が上がっている。
連邦政府キャサリン・マッケナ環境・気候変動相は8日、カナダ最大のスーパーマーケットチェーン店ロブロウ(Loblow Companies Ltd.)に環境対策費1200万ドルを支援すると発表した。
ロブロウは全国370店舗に温室効果ガス排出量の低い冷蔵システムを取り入れるために充てるという。この冷蔵システム導入により、同チェーン店の排出量を23パーセント削減できるとマッケナ環境相は説明している。
今回の支援は、連邦政府が環境対策の一環として実施する「低炭素経済への挑戦」プログラムに用意された4億5000万ドルの中から支出される。同プログラムは、州政府、市、先住民族、企業、非営利団体など、温室効果ガス排出量を削減するための革新的なプロジェクトに対して支援される。
カナダ最大のスーパーチェーン店に政府の資金援助が必要か?
しかしソーシャルメディアではこの環境相の発表に批判の声が上がっている。ロブロウは2018年度の利益が7億5400万ドルという。政府から支援を受ける必要のない大企業に対してわざわざ支援金を与える有効性がどこにあるのか、企業資金で環境対策を実施するよう促すことが政府の役目ではないのかと批判が相次いでいる。
ロブロウはシステム導入のために3600万ドルの費用が必要とすでに試算している。政府が支援しなくても実施できる金額を算出している。
さらにSNSではこれまでのロブロウの消費者や従業員に対する姿勢にも疑問を投げかけている。ロブロウは、パンの価格操作を16年間にわたり業者と共謀していたことが分かっている。ロブロウはこれを認め、会員にプリペードカードで還元した。
また最近ではロブロウの株主総会で従業員への生活最低賃金支払いを拒否することが決定した。
こうした倫理的に反するような行為を続ける巨大企業に国民の税金が投入されるのは納得がいかないとの声も上がっている。
野党も自由党の大企業優遇を批判している。新民主党(NDP)ジャグミード・シング党首は自身のツイッターで、大企業を優遇するのではなく環境対策に独自で取り組んでいる中小企業に資金提供すべきと主張している。
国民から批判の声が上がっていることに対しマッケナ環境相は、このプログラムは対象となる団体や機関なら誰でもが申請できると平等にチャンスがあると説明している。
$12 million to a company making billions in profits & whose shareholders rejected a living wage for their employees.
Instead of prioritizing handouts to rich corporations, how about we make life more affordable for people trying to retrofit their home to be more enviro-friendly? https://t.co/ABatuIHpiq
— Jagmeet Singh (@theJagmeetSingh) 2019年4月8日
By working together, we can take action on climate change in a way that benefits all Canadians. Thanks for taking action for our environment, @LoblawCo, and for cutting pollution — the equivalent of taking 50,000 cars off the road each year. pic.twitter.com/iWUBOBTdvF
— Catherine McKenna ?? (@cathmckenna) 2019年4月8日
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