モントリオールで初の女性市長誕生

132

ケベック州で実施された市町村議会選挙で、モントリオール市第45代市長にバレリー・プランテ氏が当選した。同市357年の歴史上初の女性市長誕生となった。

勝利宣言でプレンテ氏は「モントリオール市民第一の政治を、モントリオール市の再始動を実現したい。歩行者やシニアやサイクリストが安全に利用できる交通網を作りたい」と会場を埋め尽くした支援者に向けて抱負を語った。

今回のプレンテ氏の市長当選はモントリオール市以外では驚きを持って伝えられた。選挙前には現職デニス・コデール市長の圧勝が予想されていたからだ。

しかし結果は、プランテ氏52パーセント、コデール市長46パーセント。投票率は41.75パーセントと44パーセントだった前回選挙よりも低い数字ではあったが、得票率で6パーセントもの差をつけた。

プレンテ次期市長は2013年にモントリオール市議に初当選。2016年にはモントリオール市の左派政党プロジェクト・モントリオール党首に就任した。選挙が始まった当初は現職コデール市長が優勢、プレンテ市議は名前すら知られていなかったが、選挙戦が始まるとプレンテ市議が巻き返し。争点に、公共交通機関の充実とグリーン空間の設置、住宅問題の解消などを打ち出して選挙戦を戦った。

通勤は自転車か公共交通機関を利用する43歳2児の母。市民感覚で、モントリオール市を市民の手に取り戻すことを訴えて選挙を勝ち抜いた。

一方、現職コデール市長は選挙後のあいさつで市政から退くことを表明。これまで市長として自身が実現した政策を誇りに思うと語った。

コデール市長は連邦政府で閣僚も務めたことがある元自由党国会議員。2013年の選挙でモントリオール市長に当選。好調な経済を背景に再選を目指したが1期で市長を終えることになった。

敗因は、今年市制375周年を迎えた同市の記念イベントや、電気自動車レース・フォーミュラEの開催など、派手なイベントに多額の税金をつぎ込んだことや、ピットブル(アメリカンピットブルテリア)の所有禁止決定など、一般市民目線とかけ離れた政策が不人気を買ったのではと評論家らは分析している。

プランテ市長誕生に、ジャスティン・トルドー首相は自身のツイッターで祝福メッセージをツイート。ともに協力してモントリオールを盛り上げていけることを期待していると綴った。

 

女性市長北米最大都市:モントリオール

モントリオール市は、カナダではトロント市に次ぐ2番目に大きなカナダ第2の都市。カナダの中でも歴史も長く、ケベック州と他州をつなぐ役割も担う。

プランテ市長誕生で、モントリオール市は女性が市長を務める北米最大都市となった。