カナダ政府が合法化後のマリファナへの物品税等の課税案を発表

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マリファナ販売での課税についての概要をカナダ政府が公表した。

カナダ自由党政権はマリファナ使用について来年7月1日からの合法化を目指している。この日は、その課税方法と州政府への配分の提案書を発表した。

それによると物品税として、マリファナ1グラムにつき1ドル、もしくは10パーセントのどちらか高い方が課せられ、それに消費税が加算される。州によって消費税が異なるため、最終的な販売価格は地域によって異なる。

例えば、オンタリオ州で販売する場合、1グラム8ドルのマリファナで、物品税が1ドル、その小計に消費税HST13パーセントが加算され、最終的な販売価格は10.17ドルとなる。

この課税方法はマリファナを使用した食品にも適用される。例えば、マリファナを使用したオイル60ml入りを130ドルで販売する場合、10パーセントの物品税、そして消費税が加算され、オンタリオ州だと161.59ドルとなる。

また、医療用、嗜好用の課税は同率とするとしている。

この日記者会見した元トロント市警長官という経歴を持つビル・ブレア議員は「課税については妥当だと思っている」と語った。ブラックマーケットや違法販売に対抗できるほどの価格に押さえ、さらに誰もが簡単に手に入れたいと思えるほど安いわけではないと説明した。

課税による収入は、ブレア議員によると、1年間で40万キログラムを販売したとして最大で約10億ドルになると試算しているという。

ただ、課税については州政府が連邦政府の提案よりも高く設定することも可能で、この点について「連邦政府に協力して欲しいと思っている」と語っている。これ以上高く設定すれば、ブラックマーケットでの購入が増加する可能性が高くなると説明している。

 

マリファナ(大麻)販売価格の計算方法

商品価格+物品税(1グラムにつき1ドル、もしくは、10パーセントの高い方)+消費税(州によって異なる)

 

マリファナ課税の分配率に州政府からは不満の声

マリファナ販売による税収の分配については、連邦政府と州政府で50パーセント・50パーセントにすると発表。これについて州政府からは不満の声が上がっている。

連邦政府が法整備をするとはいえ、実際に販売がされた場合は、登録や管理、取り締まりなどは州政府や市町村政府が担う。警察官の増員や訓練、健康被害などを考慮した保健制度の改正など、地方政府の負担は大きいと訴える。

今後は12月7日まで公での協議期間を設け、12月10日、11日には、連邦政府と州政府の財務大臣が協議する予定になっている。そこで配分についても検討されるとみられている。

カナダ自由党政権の公約:マリファナ合法化

連邦自由党が選挙で掲げた公約の一つ。違法なマリファナ栽培や売買を取り締まり、合法化することにより課税し税収につなげるのが狙い。また、違法マリファナが若者の間で蔓延することを阻止することも目的としている。

自由党政権は、2017年7月1日の合法化に向け着々と法整備を進めている。これまでに、喫煙年齢18歳など連邦政府による一定の基準もすでに発表している。

ただ、販売や登録方法、喫煙規制などの法整備は、州政府に一任されている。喫煙年齢も独自に変更することができる。現在、各州政府が独自案を順次発表しているが、多くの州政府は時間が足りないと訴えている。