Grey Cup of CFL; Photo by ©the Pacific Post
CFL王者だけが高々と掲げることができるグレイカップ。Photo by ©the Pacific Post

とうとうやって来た今年のカナダスポーツのハイライト、CFLグレイカップ決勝戦。今年の対戦は異色の顔合わせとなった。

ようやく長年の夢を叶えるのはタイキャッツか?ブルーバマーズか?

第107回グレイカップ2019決勝戦に駒を進めたのは、東はハミルトン・タイガーキャッツ、西はウィニペグ・ブルーバマーズだ。

この両チームは両地区で最もグレイカップ優勝から遠ざかっているチームで、今回の対決はDrought Bowlと呼ばれている。

干ばつという意味を持つDroughtだけに、優勝から最も干上がっているチーム同士の対決というわけだ。

タイガーキャッツが前回優勝したのは1999年。ブルーバマーズが優勝したのはなんと1990年。両チーム合わせて47年間も優勝から遠ざかっている。

どちらが優勝しても初めてチームの優勝を見るというファンも多いはず。その喜びは一入だ。盛り上がること絶対間違いない今年のグレイカップは、11月25日アルバータ州カルガリー市マックマホンスタジアムで午後3時(PST)にキックオフだ。

タイキャッツ対ブルーバマーズ、グレイカップでの対戦成績は?

優勝から限りなく遠ざかっている両チームだが、これまでにグレイカップで対戦したことはもちろんある。107回という北米で最も長いスポーツ杯の歴史を持つのがグレイカップだ。

最も近いところでは、1984年アルバータ州エドモントンでの第72回大会で対決。47-17でブルーバマーズが優勝している。

その次だと結構さかのぼって1965年オンタリオ州トロントでの第53回大会。22-16でタイキャッツが優勝。

もう一つさかのぼると1962年第50回大会。やはりトロント。この時は天候の悪化でCFL史上初めて2日間に渡って試合が行われた。結果は28-27でブルーバマーズ。

さて、今年はどちらが栄冠を手にするのか?

第107回グレイカップまでの道のりを振り返る

グレイカップ決勝戦に来るまでの道のりは簡単ではない。今年の両チームが20年ぶり、30年ぶりということを見てもそれがよく分かる。

グレイカップ決勝戦への切符を手にできるのは、レギュラーシーズンで各地区上位3位に入ったチーム。しかし今季も西高東低は相変わらずで、昨季に続きクロスオーバーが採用された。

ということで、西地区から4チームがプレーオフに進出。唯一漏れた5位BCライオンズはシーズン初めの連敗に次ぐ連敗が響き、5勝13敗という情けない成績で早々と場外へと放り出されてしまった。

ところが東はそれ以下だった。3位のトロント・アーゴノッツでさえ4勝14敗。最下位に沈んだオタワ・レッドブラックスは3勝15敗と情けないという言葉すら幸せな響きを放つほど最悪のシーズンだった。アーゴノッツは2017年第105回、レッドブラックスは2016年第104回のグレイカップ覇者である。

こうして今季のプレーオフ準決勝は、西がカルガリー・スタンピーダーズ(2位)対バマーズ(3位)、東がモントリオール・アロエッツ(2位)対エドモントン・エスキモーズ(西4位)となった。

ここでブルーバマーズがスタンピーダーズを35-14で下し、西地区決勝に駒を進めた。昨季グレイカップを3度目の正直で制したスタンピーダーズは、今季は地元でのグレイカップ決勝戦だっただけに4年連続決勝進出を狙っていた。しかしその夢は早くも準決勝で散ることになった。

東地区はクロスオーバーで進んだエスキモーズが37-29でアロエッツを下した。正QBをBCライオンズに取られてしまったエスキモーズだったがかなり頑張った。

そして各地区決勝は、レギュラーシーズン地区1位と準決勝勝者の対戦となる。西はサスカチュワン・ラフライダーズ対ブルーバマーズ。ここでもなんとブルーバマーズが20-13と奮闘した。3位からの下克上でグレイカップへの切符をもぎ取ったのだ。

東はタイキャッツが36-16でエスキモーズに勝利。こちらは危なげない勝利だった。こうしてグレイカップの顔合わせが決まった。

さて、今季のグレイカップはどちらの手に?

 

CFLシリーズ1:カナダ独自のアメフト国内リーグ “Canadian Football League”