州政府ストライキへの介入なし、ウーバー導入も引き伸ばし

334

ブリティッシュ・コロンビア(BC)州メトロバンクーバーで11月1日から続いているバス・シーバスの運転手らによるストライキについて、同州ジョン・ホーガン州首相は両者での協議による解決に期待すると政府として介入に消極的な姿勢を21日示した。

さらに申請基準が変更され、導入が遅れているウーバーやリフトなどの乗車サービスについても、承認を前倒しする予定がないと語った。

バス・シーバス完全運休、スカイトレインもストライキで停止の可能性

メトロバンクーバーの公共交通機関スランスリンクのバス・シーバス部門コース・マウンテン・バス・カンパニー(CMBC)とバス運転手やシーバスメンテナンススタッフらの労働組合ユニフォは、14日に再交渉が決裂して以降、批判の応酬を繰り返した

そして20日、ついに組合は完全運行停止を決行すると発表した。11月27日(水)から29日(金)までの3日間、バスとシーバスが完全運休する。

さらに21日にはスカイトレインの労働組合がストライキ実施を決定した。いつ、どのような形で実施されるかはまだ決まっていない。実施されれば、エキスポライン、ミレニアムラインが停止する。最悪の場合、メトロバンクーバーの全ての公共交通機関が停止する可能性が出てきた。ただカナダラインとウエスト・コースト・エキスプレスは対象外となる。

こうした状況に公共交通機関で通勤通学する利用者は動揺を隠せない。それでも新民主党政権は静観する構えのようだ。

ウーバーカナダ、承認されればすぐにでもサービス開始が可能

カナダで乗車サービスを展開するウーバーカナダは、BC州政府が承認すればすぐにでもサービスを開始できると語っている。

当初は今年9月にサービスが開始される予定だったが、州政府が申請基準を変更し、早くても今年末までの導入に延期された。

これには新民主党政権のタクシー業界への配慮があるのではとの批判が相次いだ。

この日記者の質問に答えたBC州クレア・トレベナ運輸相は、「独立した乗客運輸委員会が決定すること」と語り、委員会は州民の乗車サービスへの期待も、ストライキの可能性も承知していると語ったが、州政府として承認を前倒しするよう働き掛ける姿勢は示さなかった。

公共交通機関も利用できず、タクシーは高額で絶対数が少ない。ライドシェアも地域限定で限界がある。さらに乗車サービス導入も遅れ、バス・シーバス・スカイトレインが運行停止すると、利用者にとって代替手段はかなり限られたものになる。州政府の一刻も早い決断が期待される。

バスの部分運休が続くもシーバスは平常運航

ユニフォによるバス・シーバスのストライキは続いている。現在は、シーバスは平常運航に戻っているが、バスは部分運休が続いている。

トランスリンクは、バス・シーバス利用者にトランスリンクのホームページ、ツイッターで運行状況を確認するよう呼びかけている。

トランスリンクの専用ホームページ https://alerts.translink.ca/
ツイッター https://twitter.com/translink