新型肺炎、オンタリオで15人、ブリティッシュ・コロンビアでは8人に

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オンタリオ州で新型コロナウイルス感染者が相次いで確認されている。

オンタリオ州保健省は、トロントで28日に2人の新型コロナウイルス(COVID-19)感染が確認されたと発表後、29日には3人、3月1日には新たに4人が確認されたと発表した。

28日に確認された2人のうち、1人は50代男性で、25日にイランから帰国。翌日に医療機関を受診した。

もう1人はエジプトから帰国した80代男性。トロントには2月20日に到着。27日に医療機関を受診している。エジプトからの帰国者の感染はカナダ国内では初めて。

29日にはトロントで3人が新型コロナウイルス感染と確認された。

1人目の感染者は34歳女性。2月26日にトロントに到着、翌日に医療機関を受診した。この女性は25日にイラン・テヘランから飛行機でカタール・ドーハ、デンマーク・コペンハーゲンとカタール航空を利用して乗り継ぎ、コペンハーゲンからエアカナダでトロントに到着したという。

飛行機に搭乗した時にマスクをするなどの自己対応は取っていたが、すでに症状が出ていたということで、航空会社と協力して女性のビジネスクラスの座席に近い乗客に連絡を取っていると報告した。女性は夫と乳児と一緒に帰国している。すでに自宅療養での経過観察となっている。

2人目は51歳女性で、2月22日にイランから帰国。咳や体の痛みを訴えて28日に医療機関を受診。

3人目は69歳男性で、22日にイランから帰国した51歳女性の夫。一緒にイランには渡航していない。2人ともその日のうちに自宅療養となっている。

3月に入っても新たに4人がオンタリオで新型肺炎感染確認

3月1日にはさらに4人の新型ウイルス感染がトロントで確認されたと発表した。

1人は2月28日に感染が確認されたイランから帰国した50代男性の兄弟で、トロントに到着するまでは症状がなかったという。

2人目は40代男性で、2月29日に確認が発表されたイランから帰国した34歳女性の夫。女性と乳児と一緒にイランから帰国した。症状はなく2月28日に検査され陽性が確認された。

3人目は60代男性で、2月23日にイランから帰国。28日に医療機関を受診、咳の症状と旅程を報告し、検査で感染が確認された。

4人目は70代女性で、28日に感染が確認されたエジプトから帰国した80代男性と接触しているという。

4人とも自宅での経過観察となっていると発表した。これでオンタリオ州では感染者が15人となった。

オンタリオ州保健省は、感染経路についてコミュニティ内での人と人の感染ではないと強調。依然として同州での新型コロナウイルス感染拡大の危険性は低いとの見解を示した。

しかし、新型コロナウイルスの世界的な状況を考慮して、注意深く状況を観察、感染拡大した場合でも対応できるように準備していると発表している。

州民にはこれまで通り、正確な情報を入手し、該当する場合は自身の体調を観察して必要になれば速やかに適切な対応をしてほしいと促した。

ブリティッシュ・コロンビア州では8人目を確認

ブリティッシュ・コロンビア州保健省は29日、新たに1人の感染を確認したと発表した。

感染が確認されたのはイランのテヘランからメトロバンクーバーにいる家族を訪問し、バンクーバー保健区域内に滞在している60代女性。この週の初めにバンクーバーに到着。症状は軽く自宅療養となっている。

これでBC州での感染者は8人となった。

同州エイドリアン・ディクス保健相は、今回の感染について人から人への感染や、アメリカでみられたような感染源が不明な感染ではないと報告した。

BC州では2月29日時点で、1012人、1425回の検査を実施したことも明らかにした。オンタリオ州でも同様、もしくはこれ以上の検査を実施していると語り、BC州だけでもアメリカ全体で検査されている回数よりも多く、それでも死亡者も出さずに感染が最小限に抑えられているのは、各レベルの政府と医療機関との連携、国民の協力が功を奏しているためと語った。