カナダがアメリカとの国境閉鎖、双方向での入国を禁止

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ジャスティン・トルドー首相は18日、新型コロナウイルス(COVID-19)対策としてアメリカからの旅行者の入国を禁止すると発表した。首相はアメリカ政府と協議した結果、不要不急の渡航者の往来を双方向で禁止することで合意したと会見で語った。

ただし貨物や流通経済継続のための入国については除外される。カナダは生活用品の多くをアメリカからの輸入に頼っているため物流は対象外とした。

アメリカでは新型コロナウイルスの感染が急速に拡大している。トルドー首相は16日にはCOVID-19対策強化として海外からのすべての旅行者の入国を禁止したが、アメリカ人は除外した。

この対応に異論が持ち上がった。記者からもアメリカ人旅行者だけを対象外とすることに疑問の声が上がった。

ブリティッシュ・コロンビア州政府は南隣アメリカ・ワシントン州で感染状況が最悪の事態となっていることなどを踏まえ、BC州民の安全のため連邦政府にはアメリカ人の入国禁止を強く望むとエイドリアン・ディクス保健相が会見で強い反対の姿勢を見せた。

会見したクリスティア・フリーランド副首相もBC州の懸念は十分に理解している、現在アメリカ政府と協議中と語っていた。

国境閉鎖についてはトルドー首相の発表とほぼ同時刻に、アメリカのドナルド・トランプ大統領も会見で発表。両国の合意によって、旅行者と訪問者の入国を双方向で一時的に禁止すると語った。

海外からの旅行者の入国禁止は18日から実行されているが、アメリカとの国境閉鎖の時期については明らかにされていない。

870億ドルのCOVID-19支援策、270億ドルは直接支援

自己隔離を実行中のトルドー首相は自宅となっているリドーコテージ前で会見。オタワの寒空の下での会見とあって、会見途中でコートを取りに戻る一幕もあった。

会見では新型コロナウイルスによって失業したり、減給になったり、経営が不安定になったりと収入に大きな影響が出る国民や中小企業のために、270億ドルの直接的な金銭支援を実施すると発表した。

連邦政府の支援は、経済の安定化のための550億ドルと合わせて870億ドルとなる。