連邦政府がカナダポスト組合ストライキ解除への介入を示唆

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連邦政府パトリシア・ハイデュ雇用・労働力開発・労働大臣はカナダポストと労働組合(CUPW)の話し合いによる解決で数日のうちに合意に達しなければ、政府が介入する可能性を発表した。

この日連邦政府は特別調停役を任命、ストライキ解除に向けまずは話し合いで解決に努力し、これでも合意に至らなければ職場復帰の動議を国会に提出すると示唆した。

カナダポスト側はこれまでに、1月31日までのストライキ一時停止提案や新労働条件提示などを実施してきたが、組合側が全て拒否している。

CUPWはカナダポスト側が交渉の席に着かない限り合意に達しないと主張している。

ジャスティン・トルドー首相も長引くストライキについて懸念を示している。先週記者に質問された首相は、「もちろんクリスマスが近づき、クリスマス商戦も活気づく中で(ストライキについて)考えない訳がない、解決する必要がある」と語っている。

そして政府がようやく動き出した。ただ数日のうちがどのくらいの期間を指すのかは明確ではない。すでに今年のクリスマス商戦には間に合わない可能性も出ている。

職場復帰の動議が可決されれば、2011年当時の保守党政権がカナダポストの施設封鎖に対して発動して以来となる。

 

カナダポスト、配達の遅れは見当がつかない

 

カナダポストは19日、ストライキによる配達の遅れがどれくらいになるのか見当もつかないと発表した。

配達の遅れは、今後数週間は続くとみられ、クリスマスシーズンを越え2019年1月までかかるだろうと予測している。

交代制のストライキのため実施中も集配は行われているが、トロントやバンクーバーにある集配のハブセンターでの度重なるストライキ実施で、すでに未配達の郵便物が山積みになっているという。

CBCはカナダポストの話として、全国で未配達の郵便物はすでに大型トラック500台分を越えていると伝えている。

カナダポストは、これに今週末からのブラックフライデー・サイバーマンデーで未配達郵便物はさらに増加すると予測している。

最も遅れが生じると予測されている地域はオンタリオ州南部と南西部。グレータートロントエリア、ハミルトン・キッチナー・ロンドンエリア、バリー・サドベリーエリアで、ポスタルコードが、L、M、N、Pで始まる地域から配送される郵便物と、ポスタルコードがLとMから始まるトロント地域への配達が大きく遅れると予測している。

カナダポストはすでに、アメリカ、日本を含む、海外192カ国にカナダへの郵便物の郵送を一時停止するよう要請している。

詳細は、カナダポストHPの最新情報を参照

 

ビジネス界がトルドー首相にストライキ終結に向けた対応を要求

 

20日、The Canadian Federation of Independent Business(CFIB)がカナダ政府にストライキ終結に向けた対応を取るよう要求する声明文を発表した。

中小企業で構成される会員の3分の2に及ぶ企業がカナダポスト組合ストライキによる影響を受けているという。

また19日にはInformation Technology Association of Canadaもトルドー首相宛ての声明文を発表。多くのEコマースビジネス会員を持つITACもまたオンラインビジネスでの中小企業の影響が大きいと早急な対応を求めている。

ネットオークション最大手のeBayカナダやカナダ小売店協議会も18日までにトルドー首相に早急な対応を求める声明文を発表している。

 

ストライキは5週目に突入

 

10月22日から始まったストライキは5週目に突入した。連邦政府による介入の可能性も示唆されたがストライキは引き続き実施されている。

20日にはオンタリオ南西部とブリティッシュ・コロンビア州プリンス・ジョージで開始された。

今週中のストライキ解除が実現するか注目される。

 

カナダポスト労働組合(CUPW)ストライキ最新情報はこちら

カナダポストツイッター @canadapostcorp

 

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