連邦政府マルク・ガルノー運輸相は13日正午ごろ（東部時間）、カナダ航空領域圏でのボーイング737MAX8型系旅客機の飛行を全面停止すると発表した。即日実施で、カナダの各航空会社は対応に追われることになる。
会見では、10日に起きたエチオピア航空墜落事故と昨年10月のインドネシアでのライオンエア墜落事故が類似しているという新たな情報を入手したため、安全面を考慮して全面停止の判断をしたと語った。
今日からカナダの空港に発着、航空領域圏を飛行する全てのボーイング737MAX8、737MAX9、同系機の飛行が停止することになる。
10日のエチオピア航空墜落事故では、乗客・乗員157人が死亡。18人がカナダ人だった。同型機は昨年10月にもライオンエアがインドネシアで墜落、189人が死亡している。
アメリカも運航停止を発表
ガルノー運輸相が発表した約3時間後、アメリカのドナルド・トランプ大統領がアメリカでのボーイング737MAX8型機の即日運航停止を発表した。
トランプ大統領は「運航停止をするまでの措置は必要なかったが、正しい決定だと思う」と語った。
今回の措置は、カナダ、アメリカ、ボーイング関係者による決定だったことも明らかにした。
カナダ政府ガルノー運輸相は13日の会見で、運航停止についてアメリカ政府に通達したと語っていた。
これで北米、ヨーロッパ、アジア・太平洋各国で、運航停止が決定した。
相次ぐボーイング737MAX8型機の墜落事故で世界に広がる同型機の運航停止
アフリカ東部エチオピアの首都アディスベバ郊外で10日に起きたエチオピア航空墜落事故を受け、墜落した旅客機アメリカのボーイング737MAX8型機の運航を停止する動きが広がっている。
同型機保有数が最も多い中国は早々と運航停止を発表した。11日から12日にかけてはイギリス、ドイツ、フランスなどのヨーロッパ諸国が運航停止を発表。12日（GMT）にはヨーロッパ32カ国が加盟する欧州航空安全局（EASA）がヨーロッパでの運航停止を指示した。
アジアでも、5カ月前に同型機の事故があったインドネシアをはじめ、マレーシア、オーストラリア、シンガポール、インドが運航停止を表明。その他、各運航会社でも独自に停止措置を発表している。
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カナダのボーイング737MAX8型機への対応
ガルノー運輸相は12日、自身の全てのスケジュールをキャンセルし、航空関連専門家との話し合いに臨むと発表していた。しかし事故発生直後には、ガルノー運輸相が情報不足として情報収集をして検討するが「運航停止は現時点ではない」と記者団に語っていた。それが12日には専門家との話し合いに臨むに当たり、「全ての可能性を考慮する」と運航停止も視野にあることを暗に示した。
カナダの航空会社ではサンウィング航空が12日に保有する4機のボーイング737MAX8型機の運航を一時停止するとカナダ政府の対応に先駆けて発表した。サンウィングは安全性の問題ではなく、運航停止を発表している地域での飛行制限などが理由と説明した。
エアカナダ、ウエストジェットは、12日の時点で同型機の運航を停止する予定はないと発表。しかしすでにヨーロッパをはじめとする各国が停止を決定したことで、それらの都市へ運航する便の欠航を余儀なくされた。
12日に出発予定だったノバスコッシア州ハリファックス発イギリス・ロンドン行きが欠航となったほか、13日のニューファンドランド＆ラブラドール州セントジョーンズ発イギリス・ロンドン行きも欠航が決まった。
しかしカナダ政府の決定で、13日から全ての同型機の運航が停止することになった。
カナダの航空会社は、エアカナダが24機、ウエストジェットが13機、サンウィングが4機、ボーイング737MAX8型機を保有している。
カナダ航空会社の利用客への対応
エアカナダは13日、カナダ政府のボーイング737MAX8型系旅客機の飛行停止措置を受け、欠航などが予想されるため、利用者はホームページで搭乗便の確認をするよう呼びかけている。
飛行停止措置のため、搭乗便が欠航、変更になっている場合は、予約変更などの対応を手数料なしで行うことを発表している。
同型機を24機使用しているエアカナダは、同社の発表によると同型機に搭乗する利用者は1日平均9000人から12000人という。そのため、大きな混乱が予想されている。利用客には冷静な対応を求めている。
エアカナダHP：https://www.aircanada.com/ca/en/aco/home.html
ウエストジェットも同様の対応を発表している。まずは利用便が影響を受けるか確認するよう呼びかけている。
ウエストジェットHP関連ページ：https://www.westjet.com/en-ca/travel-info/advisories
